歯並びの治療は、美容的な改善(歯は顔の一部)はもちろんですが、お口とからだの健康を長期的に支えるとても大切な治療です。治療を受けることで、口腔内環境が改善し、虫歯や歯周病などの予防につながるため、将来的に健康な歯を多く残すことができます。
最近は装置の進歩により、目立たない矯正治療が一般化してきたため、職業上などの理由で、以前は歯列矯正を諦めていた方も治療できるようになりました。良質な矯正歯科治療の普及により、一人でも多くの方が豊かな人生を手に入れることを願っております。
どこで矯正治療を受けるべきか悩んでいる方が多いですが、矯正治療を専門にしている医院であれば、ある程度は安心して治療を受けることができます。矯正治療は経験と治療方法の引き出しも需要となります。
そうなるとベテランの矯正歯科医が確実に有利となりそうですが、視力は30代を超えると徐々に低下してくるため、実はベテランの先生は若い先生に治療を任せることが多くなります。実際、私自身も40歳くらいから視力低下を認識するようになります。しかし、マイクロスコープに出会い、視力の問題は解決し、矯正治療技術の向上に専念出来るようになり、大きな診療転機となりました。
最近の矯正治療について想うこと
ここ最近の矯正治療の流れとして、特に成人矯正による「見えない矯正」の需要が高まっています。「見えない矯正」は通常、「裏側矯正」と「マウスピース矯正」に大別されます。
技術的な障壁が低いこともあり、特に後者の「マウスピース矯正」のシェアが世界的に爆発的な勢いで伸びております。ワイヤーを使用した矯正技術は習得が非常に難しいので、マウスピースを使用した矯正治療の支持が得られているのも理解できます。
当院でも「マウスピース矯正」を数多く治療しておりますが、治療スピードや抜歯治療でも難易度を考慮するとワイヤーを使用した裏側矯正の優位性がまだ高いと実感しております。
そのため、「見えない矯正」で「抜歯治療」を希望される場合はワイヤーを使用した「裏側矯正」を第一選択としてお勧めしております。正直なところ、「裏側矯正」をメインに診療すると、一人の矯正歯科医が年間に診療できる患者様の人数は限られてしまいますが、治療中の美しさと仕上がりのバランスを重視すると現時点では最良と考えております。
ただし、ここ数年での「マウスピース矯正」の技術発展はめざましいものがあり、当院でも口腔内3Dスキャナ(プライムスキャン:現状では最高レベルの精度)と3Dプリンターを使用したデジタルシュミレーションによる高精度のマウスピース矯正「インハウスアライナー」も扱っております。これにより初期費用を大幅に抑えながら、移動予測性の高いマウスピース矯正治療が可能となりました。また、歯の移動量が大きい治療初期はワイヤー矯正で行い、治療後半はマウスピース矯正で仕上げる「ハイブリッド矯正」にも対応可能です。
また、「日本矯正歯科学会によるマウスピース矯正の治療見解」を参考にすると、「マウスピース矯正」を希望する場合でも必ずワイヤーによる矯正治療をマスターしている矯正歯科専門の医院を選択することが非常に重要となります。当院でも「マウスピース矯正」を12年以上前より扱っておりますが、希望される患者様には「ワイヤー矯正」以上に慎重な治療を心掛けております。
※「矯正歯科治療は公的医療保険適用外の自費(自由)診療となります。」「矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について」