▹ インプラントを利用した矯正で治療期間を短縮
最新の治療として、矯正用インプラントアンカースクリューという直径が1.4から2.0mm、長さが6.0から8.0mmのねじのような細いスクリューを骨の中に埋め込み、これを矯正治療に効果的に利用する最新の治療があります。通常の歯科で使用するインプラントと比較すると非常に細く、埋め込む際も少量の麻酔のみで、ほとんど痛みはありません。力を加えると動いてしまう歯とは異なり、この矯正用インプラントは細くて小型にもかかわらず、力を加えても動かないために「絶対的な固定源」(絶対に動かない土台)となります。この動かない土台を利用して、効率的に歯を動かすことが可能となり、「治療効果の向上」・「治療期間の短縮(スピード矯正)」期待できます。また、この矯正用インプラントは治療後に撤去いたしますので患者さんへの負担も少なくなっております。
▹ 矯正用インプラントを植立する部位について
矯正用インプラントはうまく使用すれば、これまでの矯正治療の「常識」を変える治療です。海外では数多くの症例発表がされており、安全性や効果が認められています。ただし、治療を受けたい患者さんへ1つだけアドバイスがあります。本来はインプラントを必要最低限の本数のみを使用することが、身体への負担も少なく望ましいでしょう。学会などで、やたら多くのインプラントを植立している症例なども見かけますが疑問を感じることもあります。
当院で以前から使用していた矯正用インプラントが「薬事承認」されたのをきっかけに、安全で違和感の少ない部位をCT等で検証しながら、インプラントを植立する位置を日々研究しております。現在は患者さんへの負担や安全性を考慮し、写真のように一番安全な口蓋中央部に2本植立することが増えております。また、当院の矯正用インプラントの植立費用は矯正治療費に含みます。
※主に使用する矯正インプラント(デュアル・トップ オートスクリューIII 承認番号:22400BZX00302000)
▹ インプラントを使用した歯列矯正の追加費用なし
当院ではこのような経緯から、矯正用インプラントの使用には慎重な姿勢でしたが、患者さんの矯正治療の負担が減り、治療時間も短縮することができるため、裏側矯正の患者さんを中心に大半の患者さんに使用しております。ただ、新しい技術なので致し方ないですが、植立しても安定しない症例もまれにありますので、その場合の再植立は無償(矯正費用に含む)で処置いたします。