▹ 裏側矯正とは
当院で標準仕様している透明な表側装置でも、治療中も周囲の人から、目立たずに治療を進めることが可能ですが、さらに美しさを望まれる方や職業上装置が見えると困る方々ために、歯の裏側に装置を装着し、他の人に気付かれることなく治療を行うことができる「裏側矯正(舌側矯正)」による治療の選択割合が多くなってきております。「裏側矯正(舌側矯正)」は歯の裏側(歯の裏側は表側よりもデコボコしている)に装置を装着するため、高度な治療技術が必要であり、ワイヤーおよび歯に装着する装置の「フルオーダーメイド矯正治療」の技術、もしくは裏側矯正専門の技工士さんとの連携が必須となってきます。当院では従来より全ての治療に対して「フルオーダーメイド矯正治療」を取り入れているため、良好な仕上がりが期待できます。
▹ 裏側矯正の装着部位
裏側矯正装置(リンガルブラケット) | |||
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「裏側矯正(舌側矯正)」は歯の裏側(歯の裏側は表側よりもデコボコしている)に矯正用ブラケット装置を装着するため、高度な治療技術が必要です。通常はその位置の決定は口腔内で行うのは難しいため、院外の矯正専門の技工所へ依頼することになります。ただし、実際に口腔内に装着するのはドクターであり、位置を誘導するテンプレートがあってもズレが生じてしまうのが課題でした。当院は口腔内用ミラーを2種類使用した独自のミラーテクニックや高性能なカールツァイス製ルーペを使用し、直接口腔内で正確に装着することが可能となりました。さらに当院では従来より全ての治療に対して「フルオーダーメイド矯正治療」を取り入れているため、ワイヤーも患者さんに合わせて曲げることにより良好な仕上がりが期待できます。
▹ 裏側装置の装着方法 / 当院は直接法
直接法(口腔内) | 間接法(技工所) |
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術者の技術と知識経験が重要 | 技工士さんの手腕が非常に重要 |
装置のズレを確認しながら装着可能 | 歯の形態によっては装着時にズレやすい |
治療中、装置の位置変更が容易 | 治療中、装置の位置変更が煩雑 |
診断後、即時に装着可能 | 診断後、約2~3か月後に装着 |
接着剤のはみ出しが少ない | 接着剤が周りの組織に流れやすい |
歯肉の切除はほとんど必要無い | 歯肉の切除が必要なことがある |
ワイヤーを自ら曲げる必要がある | 何本かのワイヤーは完成状態で届く |
技工によるコストが節約できる | 技工によるコストが高価になる |
上記の表から直接法(口腔内で装着)の方がメリットが多いですが、その治療の困難さからほとんどの医院が間接法(技工所)を採用しております。ただし、技工士さんの手腕次第で矯正治療の仕上がりが大きく変わってくるのが問題となります。さらに、矯正専門の技工士は非常に稀少な存在であり、裏側矯正独特の歯牙移動を十分理解して装置に反映することができる技工士さんは全国に10人もいないとされています。つまり、裏側矯正は技工士さんの腕に大きく影響を受けることになります。
当院は上記の理由から高い治療技術が求められる直接法を採用しております。そして、この直接法を行うためにカールツァイス製の手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を3台導入し、矯正治療中はフルタイムで常用し、精度の高い矯正装置の位置決めをしております。矯正装置装着時の顕微鏡倍率は約12倍以上であり、個人的感想として、肉眼での装着とは雲泥の差があります。
▹ 裏側矯正の症例/上下顎裏側
裏側矯正(全顎)/治療例 | |
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上下顎裏側の全顎矯正で治療した症例。注目していただきたいのは治療中は表側には全く装置を付けておらず、大臼歯に金属製のバンドも装着しておりません。上顎右側6番が欠損していたので凸凹を改善しつつ、大臼歯部のスペース閉鎖も達成しました。装置の位置およびワイヤーをすべて術者自身で調整装着するフルオーダーメイド矯正にて治療を行いました。この治療法により、治療終盤は患者さんのご要望をお聞きしながら微調整して仕上げております。【年齢】24才【主訴】前歯の凸凹と奥歯の隙間が気になる【治療内容】上下裏側ブラケット全顎使用、非抜歯、治療期間約2年、治療費用130万円【治療上のリスクと副作用】 装置装着後、一時的に発音障害、摂食障害が発生する可能性があります。虫歯、歯周病、歯根吸収、歯肉退縮などが発生する可能性があります。また、個々の患者さんの状態等により治療結果や治療期間は異なります。 |
▹ 装着する裏側装置について
「裏側矯正(舌側矯正)」の装置にもとめられる条件として、舌の違和感や発音障害を軽減するため「小型」であること、裏側は表側に装置と装置の距離が近いため「摩擦力が少ない」ことなどが挙げられます。これまでいろいろな「裏側矯正」用の装置を使用して来ましたが、「小型」で「摩擦力が少ない」装置に出会うことはなかなかできませんでした。そんな中、見た瞬間から可能性を感じたのが「クリッピーL」という装置です。「クリッピーL」は薄さが1.5mmという小型ながら、セルフライゲーション機構という、ワイヤーと装置との摩擦を最小限にして、「歯の動きを速くする」機能を備えた装置です。現時点ではこの装置をメインに使用しております。そして、最近はさらにクリッピーLの小型装置をメインに使用しております。ただし、肉眼では正確な治療が困難になるくらいに装置の進化が速いです。そのような最新の装置も積極的に併用して裏側矯正を進化させる研鑽をしております。
▹ コンビネーション矯正とは
コンビネーション矯正 | |
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上顎裏側 / 下顎表側 | |
目立たない | ☆☆ |
仕上り | ☆☆☆ |
治療期間 | ☆☆☆ |
コンビネーション矯正は上顎は裏側矯正、下顎は表側矯正で行う方法です。下顎の装置は下唇に隠れることが多いので他人から気付かれることが少ないです。この方法は口腔内での違和感も少なく、コストパフォーマンスも高いため多くの患者が選択されている組み合わせです。当院では上顎に関しては90%以上の方が裏側矯正を選択されております。